建設業許可29業種の中の1つである「とび・土工工事業」は、足場設置から基礎工事、地盤改良まで非常に多岐にわたる工事をカバーする業種です。

一般的によくイメージされる工事現場のお兄さんと言えば業種としてはとび土工工事業が一番近いかと思います。

取得にあたっては、法改正による「解体工事業」との分離や、営業所技術者の資格要件、さらには「土木一式」との境界線など、実務上で特に注意すべきポイントがいくつか存在します。 

以下に、取得の際の注意点を詳しく解説します。


1. 「解体工事業」との明確な分離

建設業許可の「解体工事業」はかつて「とび・土工工事業」に含まれていました。

それが平成28年(2016年)の法改正により「解体工事業」という名前で建設業許可の1業種として独立することになりました。 

無許可の罰則としては許可なく施工した場合は建設業法違反として罰金や罰則が科せられる可能性があり、その後5年間は建設業許可が取得できなくなる可能性があるため、非常に大きなリスクとなります。 

令和8年現在では500万円以上の解体工事を請け負う場合、「とび・土工工事業」の許可だけでは不十分で、別途「解体工事業」の許可を取得しなければなりません。

請負金額税込500万円未満の「軽微な解体工事」であれば、「解体工事業登録」または建設業許可の「土木一式工事業か建築一式工事業」を取得していれば施工可能ですが、500万円を超えると建設業許可としての「解体工事業」が必須となります。

2. 許可要件の「経営業務の管理責任者」

建設業許可を取得するためには、経営層に一定の経営経験を持つ者がいる必要があります。 

常勤の役員(または個人事業主)のうち一人が、建設業の経営経験を満5年以上持っていること。

ここで言う経営経験とは役員や個人事業主として建設工事を行い、加えて、きちんと税務申告をしている期間となります。この満5年での証明が最も一般的です。

全く別の業種(建設業以外)での経験は残念ながら使うことはできません。
もちろん他の方法での証明もありますが、まずはこの要件に該当するかどうかを私自身も確認します。

3. 「営業所技術者」の資格

各営業所に、とび土工工事の専門知識を持つ「営業所技術者」を常勤で配置しなければなりません。 専任技術者とも言われますね。

一般建設業許可の場合は以下のいずれかが必要です。

資格保有者: 1級または2級の土木施工管理技士か建築施工管理技士、または技能士資格のとび1級・2級などがあれば実務経験が担保されているため建設業許可の申請で新たに証明する必要はありません。
実務経験での取得も多い業種ではありますが、資格での取得は必要書類が少なくなりスムーズな建設業許可取得が可能です。

注意点: 営業所技術者は「常勤」である必要があります。他社の技術者と兼任したり、遠方に住んでいて通勤実態がない場合は認められません。 

4. 財産的基礎(自己資本)の確認

許可申請の直近の決算において、以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 自己資本(純資産)が500万円以上であること。
  • 500万円以上の資金調達能力があること(銀行の残高証明書で証明)。 

注意点: 創業直後の場合、資本金を500万円以上に設定しておくのが最もスムーズです。また、赤字が続いて債務超過に陥っている場合、残高証明書が必要となりますが、有効期限(通常1ヶ月以内)があるため申請のタイミングに注意が必要です。 

5. 誠実性と欠格要件

申請者(役員全員、支店長など)が、法律に違反して罰金刑を受けていたり、暴力団員でないことが条件です。

経験上は罰金刑まではセーフのことが多いですが、執行猶予以上となってくると許可取得は難しくなります。

注意点: その他、過去5年以内に建設業法で重い処分を受けている場合は許可は下りません。また、役員の中に軽微な交通違反以外の刑事罰(特に傷害や飲酒運転による執行猶予など)を受けた人がいる場合、個別に確認が必要となることが多いです。

6. 社会保険への加入義務化

2026年現在、建設業許可の取得・更新において社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入は完全に義務化されています。

注意点: 未加入のままでは申請自体が受理されません。個人事業主で従業員が5人未満の場合は適用除外となるケースもありますが、法人の場合は代表者一人の会社であっても社会保険への加入が必須です。 
要は加入すべき保険に適切に加入しているかどうかが要件となります。

7. 営業所の実態確認

許可申請では、営業所としての実態(看板の掲示、電話、机、パソコン)が写真で厳格に審査されます。

注意点: バーチャルオフィスやレンタルオフィス(個室でないもの)では許可が下りないこともあります。また、自宅を営業所にする場合は居住スペースと事務スペースが区分けされていることが求められるケースもあります。

 

まとめ:とび土工工事業で建設業許可を取得するために

とび土工工事業での建設業許可取得を確実にするためには、まず国土交通省の建設業許可ガイドラインを確認するか、各都道府県の土木事務所が発行している手引きを入手することをお勧めします。

しかし、建設業許可の取得は多数の書類の収集やこれまでの実績の洗い出し、役所への交渉など様々な手続きが必要となります。

自分でも許可が取れるかな?」という判断はぜひ建設業専門の行政書士にお問い合わせください。

当事務所ではいつでも許可取得が可能かどうかの判断を無料でさせていただいております。

どうぞいつでもお気軽にお問い合わせください。




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