指定建設業という言葉があります。
この指定建設業とは、建設業法第26条第3項に基づき、施工技術の総合性、施工管理の複雑さ、工事規模の大きさから、特に適正な施工を確保する必要があるとして政令で指定された建設業許可の29業種の内、指定された7つの業種のことです。
一般的な業種よりも厳しい施工管理体制が求められ、元請として大規模な工事を施工する際に特別な資格要件が課されます。
1. 指定建設業に該当する「7つの業種」
現在、全29業種のうち以下の7業種が指定建設業に定められています。これらはインフラや大型建造物の骨組みに関わる、社会的な影響力が極めて大きい業種です。
- 土木一式工事業
- 建築一式工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- 鋼構造物工事業
- 舗装工事業
- 造園工事業
2. なぜ「指定建設業」が区別されているのか?
建設業における最大の目的は「適正な施工」と「発注者および労働者の保護」です。
上記の7業種は、一歩間違えれば倒壊や大事故、大規模な手抜き工事につながりかねない重要な工事ばかりです。また、多くの下請業者(専門工事業者)を傘下に従えて、複雑な工程管理を行う能力が必要とされます。
そのため、国はこれらの業種に対して「他の業種よりも、実務経験だけで責任者になることを認めない」という厳しいハードルを設けて制度の厳格化を図っています。
3. 決定的な違い:特定建設業許可における「監理技術者」の要件
指定建設業が関係してくるのは、「特定建設業許可」を取得し、かつ「元請」として大規模な工事を行う場合です。
1. 特定建設業許可の要件が厳しい
特定建設業許可を取得するには、各営業所に資格または指導監督的実務経験の要件を満たす「営業所技術者」を置く必要があります。
指定建設業の場合、この技術者になれるのは「国家資格(1級)の所持者」または「大臣認定を受けた者」のみです。他の業種で認められている「指導監督的実務経験(2年以上の実務経験など)」による資格取得は認められません。
2. 業種ごとの必要資格一覧
指定建設業で特定建設業許可を取得、または現場の監理技術者になるために必要な主な国家資格は以下の通りです。
- 土木工事業:1級土木施工管理技士、技術士
- 建築工事業:1級建築施工管理技士、一級建築士
- 電気工事業:1級電気工事施工管理技士、電気主任技術者(1種〜3種+実務経験)、技術士
- 管工事業:1級管工事施工管理技士、技術士
- 鋼構造物工事業:1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士、一級建築士、技術士
- 舗装工事業:1級土木施工管理技士、技術士
- 造園工事業:1級造園施工管理技士、技術士
4. まとめ
指定建設業は、「土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園」の7業種。
最大の特徴は、「特定建設業の許可を取って元請として大型工事をするなら、実務経験はNG。必ず1級の国家資格者を置きなさい」という強い規制がかけられている点です。
インフラや都市開発の根幹を支えるトップ企業や、元請としてステップアップを目指す建設業者にとっては、必ずクリアしなければならない最重要のハードルと言えます。
もし以下のような疑問があるときは建設業専門の行政書士にご相談ください。
- 自社が持っている資格でどの指定建設業の許可が取れるか知りたい
- 特定建設業許可の「財産要件(資本金2,000万円など)」について知りたい
- 現場に配置する「監理技術者補佐」の条件を詳しく知りたい
上記のような疑問については建設業専門の当事務所ではいつでも無料にて回答させていただいております。
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