建設業許可を取得したのは良いけどその後の事務手続きがよく分からない……。
その様な相談は非常に多いです。
建設業許可を維持・運用する上で、「決算変更届(自治体によっては事業年度終了届とも言います)」の提出は法律(建設業法)で定められた義務となっていますが、これを期限内に提出していないと単なる事務的なミスでは済まない深刻なペナルティや経営上の不利益が生じる可能性があります。
この記事では、2025年現在の最新の法規制や行政運用の動向を踏まえ、決算変更届を提出していない場合に発生するリスクを詳細に解説します。
1. 決算変更届(事業年度終了届)ってなに?
日本全国の建設業許可業者は、決算終了後4ヶ月以内にその年度の財務諸表や工事実績行政に届け出る必要があります。これを「決算変更届」または「事業年度終了届」と呼びます。 都道府県によって名称は異なりますが中身は同じです。
この届出は自治体が許可業者の経営状態や適格性を継続的に把握すること、および閲覧制度を通じて発注者や取引先が業者の情報を確認できるようにすることにあります。なので実は日本全国の許可業者の貸借対照表や損益計算書は役所にさえ行けば誰でも見ることができます。
余談ですがこの情報を求めて信用調査をする会社さん(帝国データバンクさんとか東京商工リサーチさん)とかが毎日役所に朝から列をなして情報を集めています。しかもコピーできないので全て手書きで書き写してますね。すごい企業努力です。
2. 未提出による直接的な法的ペナルティ
決算変更届を期限内に提出しない場合、建設業法に基づき以下の罰則が科される可能性があります。
① 懲役または罰金(刑事罰)
建設業法第50条に基づき、届出を怠った者には「6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性があります。とは言え正直いきなり逮捕されるケースは全国的にも稀ではあると思いますが、行政指導を無視し続けた場合には適用されるリスクはあります。
② 指導・指示処分・業務停止
まず行政(都道府県知事等)から「是正指導」が行われます。これに従わない場合、「指示処分」という行政処分が下されます。さらに指示に従わない場合は、一定期間の営業を禁じる「業務停止処分」に発展する可能性があります。
③ 許可の取消し
最悪のケースとして、悪質と判断された場合や是正の込み込みがない場合は、「建設業許可の取消し」が行われます。一度取り消されると、その後5年間は許可を再取得することができません。
3. 実務上の重大なデメリット
刑事罰もそうですがそれ以上に建設業経営に直結する大きなダメージが以下の3点です。
① 建設業許可の更新ができない
そもそもですが決算変更届が未提出の場合は建設業許可の更新ができません。
建設業許可は5年ごとに更新が必要です。更新申請の際、過去5年分の決算変更届がすべて提出されていることが必須条件となります。
1年分でも欠けていれば更新申請は受理されません。期限直前に慌てて数年分を作成しようとしても、過去の帳簿の紛失や税務申告書との不整合により作成が困難になり、結果として許可を失効(有効期限切れ)してしまうことになります(これが割といらっしゃいます)。
② 業種追加の申請ができない
業種追加申請についても同様で、その時点までに本来提出すべき決算変更届が提出されていないと申請受理はされません。
新しい工種の許可を追加したい(例:内装工事業から建築一式工事業へ)と思っても、決算変更届が未提出の状態では申請が受理されません。ビジネスチャンスを逃す大きな要因となります。
③ 経営事項審査(経審)が受けられない
公共工事を直接請け負うために必要な「経営事項審査(経審)」は、決算変更届が提出されていることが前提です。
届出が遅れると経審の結果通知が公共工事の入札参加資格登録の期限に間に合わず、その年度の公共工事に入札できなくなる事態を招きます。
4. 2025年における注意点:行政の監視強化
決算変更届を期限内に提出していない事業者については行政側もきちんと記録しており、期限内の提出の指導を進めています。近年では国土交通省および各都道府県は、建設業の適正な取引を確保するため、未提出業者への監視を強めています。
特に国土交通省は最近建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)の普及になど事務手続きのデジタル化これでもかと推し進めており、今後は行政側は「どの業者が提出していないか」をリアルタイム簡単に抽出できるようになる可能性もあります。
結局のところ決算変更届は、建設業許可の更新の際には提出しておかなければならない書類なのでどうせ出さなければならないのであれば期日内に提出することを意識しておきましょう。
5. もし提出を忘れていた場合の対処法
とは言え日々の業務に追われてしまい「数年分出していない」という状況に気づいた場合、直ちに以下の行動をとるべきです。
- すぐに専門家に相談する:
過去の決算書や確定申告書を揃え、建設業専門の行政書士に相談してください。建設業法の財務諸表は税務署に提出するものと様式が異なるため、自力での作成は難しいことも多いです。 - 速やかに「期限後提出」を行う:
遅れていても提出することは自体可能です。もちろん行政の窓口で厳しい指導を受ける可能性はありますが、隠し続けるよりも、自発的に提出して「許可更新」に備えることが最善です。 - 管理体制の構築:
未提出の指導を受けた後は行政書士と連携を行い「確定申告or決算が終わったらすぐに行政書士へ資料を渡す」というルーチンを確立してください。
まとめ
決算変更届の未提出は、単なる「出し忘れ」では済まされない経営リスクそのものです。
「更新の時にまとめて出せばいい」という考えは、2025年以降の行政の監視体制の中では非常にリスクが大きいと言わざるを得ません。建設業許可を失い、取引先や金融機関からの信用を失う前に毎年の適正な届出を徹底しましょう。
決算変更届について疑問がある際は建設業許可専門の行政書士にまずはご相談ください。
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